第11回 PBRマテリアル
4 / 4 三種類の材質と照明変更の課題
このステップの目的
物の性質に合わせてパラメーターを選び、別の照明でも評価します。
目標とする材質
金属を一つ、非金属を二つ選び、同じモデルへ割り当てます。例えば磨いた金属、粗い非金属、滑らかな非金属を比べます。まず同じ明るい照明で成立させ、その後に照明だけを変えます。
実習2:具体的な材質を表現する
次の中から3種類以上を作成します。
| 材質 | Metallic | Smoothnessの傾向 | 観察点 |
|---|---|---|---|
| 未塗装の金属 | 1 | 中〜高 | 環境の色を反射する |
| 粗い石 | 0 | 低 | 広く弱いハイライトになる |
| プラスチック | 0 | 中〜高 | 本体色と無色に近い反射が見える |
| 木 | 0 | 低〜中 | 木目はBase Color、表面加工はSmoothnessで分ける |
| 濡れた面 | 0 | 乾いた状態より高い | 色を暗くしすぎず、反射の変化を見る |
材質の分類と表面状態から初期値を決め、照明下で調整します。
実習3:照明条件を変えて材質の見え方を比較する
- 昼を想定した明るい照明を作る
- 夜を想定して環境光とライトの色、強度を変更する
- 演出用に色の付いたライトを追加する
- それぞれの条件でオブジェクトの材質の見分けがつくかを確認する
- 違和感のある場合はマテリアルのパラメーターと照明のどちらを直すべきか判断し、調整する
よくある問題
| 問題 | 確認する場所 |
|---|---|
| Metallicを上げても金属に見えない | Skybox、Reflection Probe、Base Color、照明 |
| 全体が黒く見える | 環境反射、ライト、露出、極端に暗いBase Color |
| すべてプラスチックに見える | Metallicの分類、Smoothness、環境の映り込み |
| Normal Mapが正しく見えない | Texture Type、Normal入力、Tangent Space |
| 場面ごとに色を直す必要がある | マテリアルと照明の役割が混ざっていないか |
| 表面が不自然に光りすぎる | HDR値、Emission、ポストプロセスを一度無効化する |
条件を変えた確認
三つの材質について、Metallic・Smoothness・Base Colorの選択理由を一文ずつ書き、照明変更で残る違いと変わる違いを記録してください。
予測と結果の照合
照明で見える色や反射は変わりますが、金属・非金属の設定や粗さの意図は維持して評価します。場面ごとにMaterialを直す前に照明側の差を確認します。
照明を基準へ戻し、三つのMaterialと比較画像を保存します。
参考資料
- Unity: URPのシェーディングモデル
- Unity: URP Lit Shader Graph
- Google Filament: Physically Based Rendering
- Google Filament: Material Properties
- Brian Karis: Real Shading in Unreal Engine 4
- Barla, Thollot, Markosian: X-Toon: An Extended Toon Shader(NPAR 2006)
チェックリスト
- 材質の違いを設定値と対応付けて説明できる。
- 照明だけを変えた比較がある。