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第09回 影表現の基礎

3 / 4 影の誤差とBiasの調整 ​

このステップの目的

自己影と影の浮きを観察し、調整の効果と副作用を比べます。

比較の記録 ​

LightのBiasとNormal Biasの現在値を記録します。Camera、物体、影の解像度を固定し、まずBiasだけを少しずつ変えます。症状が出ていない場合は無理に変更を採用せず、変化が見える範囲を比較します。

Shadow Acne ​

Shadow Map の深度はテクスチャーに保存されるため精度にも分解能にも限界があり、完全に連続した値にもなりません。

現在描画している面と、Shadow Map に保存された面が同じでも、 数値誤差によって「少し奥にある」と判定されることがあります。

その結果、本来影にならない表面にしま模様のような自己影が出ることがあります。

この現象は Shadow Acne と呼ばれます Acne はニキビの意味で、表面に細かい影ができる様子から名付けられています。

Shadow Bias ​

Bias が小さすぎる例
バイアスが小さすぎると精度エラーによる自己影が出る。
Bias が大きすぎる例
バイアスが大きすぎると影が浮いて見える。

Bias は、影判定で使う深度を少しずらし、 自己影が出にくくなるようにする値です。

小さすぎると Shadow Acne が残ります。

大きすぎると、影が物体から離れて見えます。
この現象は Peter Panning と呼ばれます。

影が汚い場合は、まず Bias と Normal Bias を少しずつ調整します。

Normal Bias ​

Normal Bias は、影を落とす面を法線方向へ少し押し出すように扱う調整です。

斜めの面や細かい形状では、通常の Bias だけでは自己影を消しにくいことがあります。

Normal Bias を上げると Shadow Acne は減りますが、 細い影が消えたり、接地影が弱くなったりします。

Bias 系の値は一般に「正解の数値」がありません。
ライト、スケール、カメラ距離、解像度に合わせて都度調整が必要です。

実習2:Biasを調整する ​

  1. ライトの Shadow 設定を開く
  2. Bias を小さくして Shadow Acne が出るか確認する
  3. Bias を大きくして影が物体から離れるか確認する
  4. Normal Bias を調整して、斜めの面の自己影がどう変わるか確認する
  5. 不自然にならない範囲を探す

条件を変えた確認 ​

自己影が減った一方で床との隙間が目立ちました。Biasをさらに増やす前に、どんな比較が必要ですか。

予測と結果の照合

元の値と中間の値を同じ視点で比較し、自己影と影の浮きの両方を評価します。一方の症状だけで採用値を決めません。

採用値と基準値を記録し、解像度比較を始める前にBiasを基準値へ戻します。

チェックリスト
  • Biasだけを変えた記録がある。
  • 自己影と影の浮きを区別し、採用理由を説明できる。