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第01回 オリエンテーション
次回: 第02回 パーティクル
この回には実習課題があります
講師の指定に従い、授業終了前に提出してください
この授業の目的
- ゲームにおけるエフェクトの役割と実装手法を理解する
- UnityのParticle SystemとVFX Graphの基本操作を身につける
- 火花、煙、爆発などの基本的なエフェクトを制作する
Unityの機能を暗記することが授業の目的ではありません
エフェクトの仕組みを理解し、自身で表現を組み立て実装し、ゲーム制作に活かせるようになることを目指します
授業のゴール
エフェクト制作には幅広い技術と知識が必要ですが、どの役割を選ぶ場合にも学んだ内容を活用できます
この授業では、それぞれのキャリア選択に応じたゴールを目指します
| キャリア | ゴール |
|---|---|
| ゲーム制作者として | 自分のゲームに合ったエフェクトを適切に取り入れられる |
| ゲームプログラマーとして | エフェクトの構成を理解し、リソースを適切に管理できる |
| エフェクト制作者として | エフェクト表現を実践し、自作できるようになる |
ゲーム制作者がエフェクトをすべて一から作る必要はありませんが、活用には基本的なエフェクト表現の構造理解が必要です
また、エフェクトはパーティクルやシェーダーだけでなく、モデルやモーションなど複数の要素が組み合わさって成立しています
そのため直接演出を手掛けるわけではないゲームプログラマーにも、エフェクト構成の全体像を理解し適切に扱う力が求められます
さらに、エフェクト制作者はそれ自体が専門性の高い役割です
エフェクトを自作できるようになれば、ゲームのビジュアル品質とプレイ体験に大きく貢献できます
いずれのキャリアであっても、エフェクトの仕組みを理解し、適切に扱えることはゲーム制作において重要かつ有用です
12回の流れ
導入と基礎
- オリエンテーション 制作環境準備、エフェクトの基礎知識
- パーティクル Particle System の基本操作
- 色と半透明の操作 カラーグラジエント、アルファブレンド
- 火花・ヒット パーティクルの基本表現
定番エフェクト制作
- 煙・炎 テクスチャーアニメとノイズ
- 爆発 パーティクルとテクスチャーアニメの複合表現
- 軌跡 トレイル、ビーム、残像
- UIエフェクト1 ダメージ数字、回復数字、コンボ数字
応用と連携
- UIエフェクト2 HPゲージ、パネル点滅、クールダウン表示
- シェーダー連携1 UVスクロールとマスク
- 描画バッファとポストエフェクト Scene Color、歪み、Emission、Bloom
- VFX Graph入門 4つのContextと基本的なパーティクル制作
今回の授業内容
- 授業の目的と12回の流れを確認する
- エフェクトが情報伝達と演出に果たす役割を理解する
- Unity 6.4とURPで制作環境を準備する
- VFX GraphとShader Graphを導入する
- 配布サンプルを再生して環境を検証する
エフェクトの役割:ゲームの視覚的フィードバックと演出を担う重要な要素
ゲームにおいて視覚的音響的なフィードバックを提供します
攻撃命中・体力回復・状態異常など、プレイヤーへの情報伝達を担います
世界観や雰囲気の演出としても重要です
炎・煙・魔法・爆発などが代表的な例ですが、雨や雪、風、落ち葉、埃、光の表現など、環境演出にもエフェクトは欠かせません
ゲームのビジュアルと体験は、エフェクトのクオリティに大きく左右されます
普段はあまり意識しないかもしれませんが、エフェクトはゲームの極めて重要な構成要素です
エフェクトの具体例:派手さだけでなく、プレイヤーへの情報伝達も重要な役割
| 場面 | 例 | 役割 |
|---|---|---|
| 攻撃 | 斬撃・ヒット火花 | 命中した感触を伝える |
| 回復・強化 | 回復リング・発光 | 状態変化を分かりやすくする |
| 環境 | 雨・雪・砂埃 | 世界観や空気感を作る |
| UI | ダメージ数字・ゲージ演出 | 情報を強調して見やすくする |
エフェクトはゲームの演出を強化するのみならず、プレイヤーの体験を総合的に向上させるためにも重要な存在です
Unity のエフェクト実装手段
- Particle System(パーティクルシステム)
Unity に標準搭載されているエフェクトシステムです
CPU 側から制御しやすく、比較的簡単にエフェクトを作ることができます - VFX Graph
GPU ベースのエフェクトシステムです
大量の粒子や複雑な処理に適していますが、利用にはノード操作やグラフィックスの基本的な知識が必要になります
エフェクトとシェーダーの連携
シェーダーはGPU上での描画処理を制御するプログラムです
シェーダーとエフェクトシステムの組み合わせは非常に強力で、使いこなせばより高度な映像表現を実現できます
Shader GraphはUnityのノードベースシェーダー作成ツールで、エフェクト制作でも活用されます
制作環境の確認:Unity 6.4 と URP を使用します
2026年度前期の授業では Unity 6.4 と Universal Render Pipeline(URP) を使用します
環境構築は別資料を参照してください
特にVFX Graphの使用にはURPまたはHDRPが必要です
まず自分の環境でURPプロジェクトが作れるかを確認してください
すでに環境が整っている場合は適宜省略してください
疑問点があれば、早めに講師に質問してください
第1回で扱う実習内容:作業環境の準備と動作確認
- URP プロジェクトを作成する
Visual Effect Graphパッケージをインストールする- Shader Graphが利用可能か確認する
- サンプルまたは空白の VFX をシーンに配置する
- エラーなく表示・再生できるところまで確認する
- 授業用の配布サンプルを受け取り、次回以降の実習準備を行う
Particle System と VFX Graph の位置づけ
Particle System
基本的なパーティクル表現を手軽に作れるシステムです
学習しやすく、小〜中規模のエフェクト制作に適しています
ただし、CPU ベースのため、大量の粒子の表現には向いていません
VFX Graph
GPU を使って大量の粒子や複雑な挙動を扱えます
利用のための学習コストは高いですが、表現の幅も大きく広がります
授業ではまず Particle System でパーティクルの基本操作を理解し、その後 VFX Graph でより高度な表現に挑戦します
VFX Graph のセットアップ
手順1:Universal 3DテンプレートでURPプロジェクトを作成する

Unity Hub で新規プロジェクトを作成する際は Universal 3D(URP) テンプレートを選びます
既存プロジェクトでも URP Asset が有効になっているかを確認してください
Built-in 3Dは使用しません
この授業では URP を前提とします
Universal 3D テンプレートを選択してください
手順2:Package Manager から VFX Graph をインストール

Window > Package Managerを開く- 一覧を
Unity Registryに切り替える Visual Effect Graphを検索してInstall- インストール後にメニューが追加されたか確認
追加後はメニューから VFX 関連項目が選べるようになります
手順3:Shader Graph の導入を確認

- URPテンプレートを使用した場合、Shader Graphは導入済みの状態です
- もし見当たらない場合は
Package ManagerからShader Graphをインストールしてください
手順4:Shader Graph の VFX 対応を確認
- VFX Graph でシェーダーを使うためには Shader Graph のグラフ設定で VFX Graph 対応を有効化する必要があります
Create > Shader Graph > URP > Unlit Shader Graphなどで作成- グラフを開き Graph Inspector を表示
- Support VFX Graph を有効化する
- 保存して VFX Graph 側から参照できるか確認する
- 項目名や配置は Unity のバージョンで異なる場合があります
見つからない場合は講師配布のサンプル設定等を確認してください
手順5:Visual Effect Graphの動作を確認する
Create > Visual Effects > Visual Effect Graphで VFX Graph アセットを作成します
シーンに配置してエラーなく再生できれば、準備完了です- 授業では、講師から配布された確認用のサンプルが正しく動くかも確認してください
- 余裕があれば Package Manager の
Samplesから VFX Graph のサンプルも試してみてください
トラブル時の確認項目
- URP プロジェクトになっているか
- Visual Effect Graph / Shader Graph がインストール済みか
- Console に赤いエラーが出ていないか
- PC の GPU や API が VFX Graph に対応しているか
- メニューや設定項目を正しく操作しているか
それでも解決しない場合は講師に質問してください
配布サンプルの確認
- 講師配布の動作サンプルを受け取る
- シーンを開いてエラーなく再生できるか確認する
- 表示されない場合は
ConsoleとPackage Managerを確認する - 確認できたら授業内課題に進む
課題に入る前に配布サンプルが正しく動作するかを必ず確認してください
授業内課題
好きなゲームのエフェクトを探して提出してください
次回以降の制作に備えて、エフェクトの構成要素を分析する練習です
課題の提出方法
以下の内容を講師向けのDMで提出してください
- 好きなゲームのエフェクトを選ぶ
斬撃・ヒットエフェクト、炎・煙、回復・バフ・魔法、UIエフェクトなど - 選んだエフェクトのスクリーンショットや動画を用意する
画像や動画のファイルか、URLで提出してください - どのゲームのどのエフェクトかを明記する
タイトルとエフェクトの内容が分かるようにしてください - なぜそのエフェクトが良いと思ったのかを一言添える
形や色の変化、動き、雰囲気など、どんな点が魅力的だったかを教えてください
完成条件
次の4点を満たしているか確認してください
- 作品名
- どの場面のエフェクトか
- 良いと思った理由
- 画像・動画・URLのいずれかを添付している
相談自由です
また複数のエフェクトを提出しても構いません
まずはやってみて、分からないことがあれば講師に質問してください
今回の課題の意図
エフェクトはふさわしい場面で使われる必要があり、また複数の構成要素で成り立っています
良くできたエフェクトは空気のように自然にゲームへ溶け込んでいますが、その裏には多くの工夫と技術が詰まっています
よく観察して、どんな仕組みで成り立っているのかを考えてみましょう
選んだエフェクトがどのように構成され、どのように機能しているかを分析し、再現方法を考えてみてください
参考にしやすいエフェクト例
最初は分かりやすい題材から選ぶのがおすすめです
- 斬撃・ヒットエフェクト
一瞬で終了する分、比較的シンプルで形や色の変化を観察しやすいです - 炎・煙
パーティクル、ノイズ、加算表現の基本が詰まっています - 回復・バフ・魔法
発光、リング回転、テクスチャーのアニメーションなどエフェクトの基本要素が多く含まれています - UIエフェクト
ダメージ数字、ボタン点滅、ゲージ演出なども立派な題材です
観察のポイント
- 形:点・線・面・リング・破片など
- 動き:広がる、回る、流れる、縮む、消える
- 色:明るい中心、暗い外側、発光の有無
- 時間:どの順番で出て、どのくらいで消えるか
- 重なり:本体、火花、煙、歪みなどのレイヤー構成
エフェクトが「何でできているか」「どういう仕組みで作られているか」をよく観察してみましょう
今回のまとめ
今回はエフェクトの基本的な役割と授業の全体像を把握し、制作環境の準備とサンプルでの動作確認を行いました
エフェクトは 情報伝達 と 演出 の両方を担う、ゲームの非常に重要な構成要素です
演出方面に進まない場合でも、エフェクトの仕組みを理解し、適切に扱えることはゲーム制作において重要かつ有用です
ぜひ授業の中でエフェクトの仕組みを理解し、実際に制作してみてください