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第12回 完成と成果整理 ​

自分が納得するゲームへ仕上げる ​

完成版から始めたプロジェクトには、自分で選んだ外見、動き、攻撃、成長、出現計画、独自ルールが加わっています。この回では、それらを一つのゲームとして遊び、仕上げます。

どんなゲームにするか、何を実装するかは、作品に合わせて決められます。新しいルールや演出を加えることも、既存の要素を磨くこともできます。

評価するのはゲームの完成度です。教材の例を実装した数、改造量、コードの書き方、比較記録、発表資料の有無では評価しません。制作メモや動画などは、自分の制作や共有に使いたい場合に用意できます。

最初の操作から終わりまで遊ぶ ​

普段の開発では、変更した部分を確認するために特定の場面だけを見ることがあります。仕上げでは、起動してから実際に遊び、作品の流れを確かめます。

場面作品を見直す視点
起動と開始何が表示され、どの操作で遊び始められるか
序盤主人公、敵、攻撃、回収の役割を読み取れるか
成長選んだ武装や強化の変化を感じられるか
展開の変化敵や攻撃の変化に応じた遊びが生まれるか
勝敗や区切り何が起きて終了したか伝わるか
再開や終了操作意図した状態へ進めるか

これは機能をそろえるための一覧ではありません。作品が持つ開始・進行・終了の形に合わせ、プレイヤーが実際にたどる流れを見るための視点です。

例えば短時間で繰り返すゲームなら、再開の速さが遊びに関わります。成長の組み合わせを楽しむゲームなら、取得候補と武装の働きが、その面白さを支えます。

外見・動作・ルールを合わせる ​

画像で表したものと、実際に起きることを見比べます。大きな敵の接触距離、攻撃の広がり、被弾の表示、取得した武装の効果などが、作品としてどう伝わるかを確かめます。

画像の大きさと判定を同じにする必要はありません。どこで当たるか、なぜダメージを受けたかを、遊びながら読み取れる表現にできます。

敵の予告が重なって見えない場合は、表示、敵の組み合わせ、出現位置、時間の設計が変更候補になります。攻撃の手応えが薄い場合は、威力だけでなく、命中時の画像、音、敵の反応も関わります。

気になること調べる場所の例
コマや足元の位置が合わないSpriteImages.cpp、CharacterAnimation.h
敵の役割が表れないEnemy.cpp、EnemyVisuals.h、EnemyWaves.cpp
攻撃が意図した相手へ届かない照準、生成位置、速度、寿命、命中処理
成長した効果が伝わりにくい武装のlevels、表示、音、敵の性能
取得したい武装を使えない解放条件、所持枠、候補選出、経験値供給
独自ルールの表示と効果が違う状態更新、発射時Stats、通知、Renderer
配布物に変更が反映されないRelease出力、Assets、読み込みパス

変更先を分けた基盤によって、画像の調整で移動処理を書き換えずに済む場面や、敵の追加で生成ループを増やさずに済む場面があります。その分担を使いながら、必要なところを作品に合わせて変更できます。

成長と展開のつながりを見る ​

武装が強くなること、敵が増えること、入手できる経験値が増えることは、それぞれ別の設定です。組み合わせた結果を遊んで確かめます。

敵が少ない時間帯に回収や取得を楽しむゲームも、序盤から攻撃を重ねるゲームも作れます。どの構成を選んだときに、どんな場面が楽しくなるかを見られます。

武装の解放は取得とは別です。候補に出る時期、所持枠、ほかの選択肢、敵の登場時期が組み合わさります。狙った武装以外を選んだ場合にも、作品がどんな展開になるか遊べます。

結果が予想と違うときは、失敗と決める前に、その展開を作品へ生かせるか考えることもできます。採用するルールや調整値は、実際に遊んだ感触から決めていけます。

つなぎ目の不具合を調べる ​

要素が増えた作品では、状態が切り替わる場面から確認すると、接続の違いを見つけられます。

例えば、強化を選んだ直後に発射する、被弾中に移動を止める、ウェーブの境界で敵が出る、独自効果の有効中に再開する、といった場面です。

状態を持つ値は、どこで開始し、どこで終了し、再開時にどう初期化されるかを追えます。表示だけが前の状態に残る場合は、ゲーム状態と描画側の参照先も確認できます。

第08回の取得処理を使う作品なら、所持上限到達後の強化、最大レベル武装の扱い、候補不足時の選択肢、経験値の繰り越しを見ます。別の成長方式へ変更した場合は、その方式でプレイヤーが通る状態を確認します。

画面が混み合う場面では、処理負荷と見やすさの両方が関わります。固定DeltaTimeの仕組みを維持している場合は、負荷で実時間に対するゲーム進行が遅れることがあります。攻撃や敵の存在数、画像、更新処理を見ながら調整できます。

最終的に遊ぶファイルを確認する ​

完成したゲームは、第11回でまとめたReleaseの配布物でも起動します。開発中の画面だけでなく、渡すファイルの組み合わせで、同じ作品になっているかを確かめます。

素材の読み込み、音量、操作、開始設定、勝敗、再開などを、自分のゲームの仕様と照合します。追加素材の出典や必要なライセンス文書も、実際に使う素材と対応させます。

作品名や操作案内を付ける場合は、実行時の表示と内容を合わせます。案内を読まなくても伝わるようにゲーム内へ組み込む方法も選べます。

制作に使った情報を整理する ​

制作メモ、調整値の記録、スクリーンショット、動画は、完成ゲームとは別に、自分が使いやすい形で残せます。後から改良する箇所を思い出したり、作品を紹介したりするための情報になります。

資料を作ること自体を完成条件にはしません。企画書、変更報告、発表資料、授業内実演によってゲームの評価を補う必要もありません。

この講座で作る成果は、自分の意図と実際の遊びを合わせて仕上げたゲームです。外見、操作、ルール、演出を通して、遊ぶ人へ何が届くかを確かめ、納得する作品へ完成させてください。